
二型(Ⅱ型)キッチンとは、シンクのあるカウンターと加熱機器のあるカウンターを、通路をはさんで二列に平行に配置するキッチンのレイアウトです。
作業スペースを広くとれ、調理の動線が短く済むことから、料理を本格的に愉しみたい方や、アイランドキッチンを検討している方に選ばれることの多いレイアウトです。一方で、「どのくらいの広さが必要か」「使いにくくないか」「費用はどのくらいか」と迷われる方も少なくありません。
本記事では、二型キッチンの特徴とメリット・デメリット、サイズ・幅の目安、間取りとレイアウトの種類、費用を解説します。あわせて、二型キッチンで後悔しないためのポイントと、向いている方もご紹介いたします。
二型キッチンとは
二型キッチンは、二つのカウンターに機能を分けて配置するレイアウトです。まずは、基本の形と、ほかのレイアウトとの違いを押さえておきましょう。
基本の形
二型キッチンは、片方のカウンターにシンク、もう片方のカウンターに加熱機器を置くのが一般的です。シンクのカウンターをダイニング側に向けてアイランドやペニンシュラとし、加熱機器のカウンターを壁側に設ける形がよく選ばれます。カウンターが二列に分かれていることから、セパレート型と呼ばれることもあります。
シンクと加熱機器の配置を逆にし、ダイニング側に加熱機器を置く形もありますが、油はねやにおいが広がりやすくなるため、換気や仕上げの計画をより丁寧に行う必要があります。
ほかのレイアウトとの違い
キッチンの代表的なレイアウトと比べると、二型キッチンの特徴は次のとおりです。
| レイアウト | 形 | 特徴 |
| I型 | シンクと加熱機器を一列に並べる | 省スペースで設えやすいが、横の移動が長くなりやすい |
| L型 | カウンターをL字に曲げて並べる | 動線が短いが、角の部分が使いにくくなりやすい |
| 二型 | 二つのカウンターを平行に並べる | 動線が短く作業スペースも広いが、二列分の広さが必要 |
二型キッチンのメリット

二型キッチンには、ほかのレイアウトにはない魅力があります。ここでは、二型キッチンを選ぶ四つのメリットをご紹介します。
作業の動線が短い
二型キッチンは、シンクと加熱機器が背中合わせになるため、体の向きを変えるだけで行き来できます。一列に長く並ぶI型キッチンに比べて、横の移動が少なく済むのが特徴です。冷蔵庫・シンク・加熱機器の三点を結ぶ三角形がほどよい大きさに納まるよう配置すると、作業の効率がいっそう高まります。
下ごしらえから加熱、盛り付けまでを、ほとんど歩かずに済ませられるため、毎日の料理の負担が軽くなります。料理の品数が多い方ほど、この動線の短さを実感できるでしょう。
作業スペースを広くとれる
カウンターが二列あるため、下ごしらえや盛り付けのためのスペースを広く確保できます。調理中に物の置き場所に困ることが少なく、複数人で並んで料理をするときにも、互いの作業を妨げにくくなります。
ダイニング側のカウンターは、配膳台や軽食のカウンターとしても使えるため、キッチンと食卓をつなぐ場としても活躍します。
収納を増やしやすい
二つのカウンターの下をそれぞれ収納にできるうえ、ダイニング側のカウンターは、通路側とダイニング側の両面を収納として活かすこともできます。壁側のカウンターの上に吊り戸棚や棚を設けることもできるため、収納量を確保しやすいレイアウトです。
油はねやにおいが広がりにくい
加熱機器を壁側のカウンターに置けば、油はねや煙が壁の前で受け止められ、ダイニングやリビングに広がりにくくなります。レンジフードも壁付けのものを選べるため、アイランドに加熱機器を置く場合に比べて、換気の計画も立てやすくなります。
ダイニング側のカウンターの天板に調理道具や鍋が出しっぱなしになりにくいため、来客時にも空間をすっきりと見せやすいのも魅力です。
二型キッチンのデメリット
多くの魅力がある一方で、二型キッチンには、計画の前に知っておきたいデメリットもあります。ここでは、四つのデメリットと、その備え方をご紹介します。
二列分の広さが必要になる
二型キッチンは、カウンターが二列になる分、I型キッチンに比べて広い空間が必要です。限られた空間に無理に二列を設けると、通路が狭くなり、かえって使いにくくなってしまいます。必要な広さは、後述のサイズ・幅の章でご紹介します。
とくにダイニング側のカウンターをアイランドにする場合は、四方に通路が必要になるため、さらに広い空間が求められます。限られた空間では、ペニンシュラにするなど、レイアウトの工夫も検討しましょう。
振り向く動作が増える
シンクと加熱機器が別のカウンターにあるため、調理の途中で振り向く動作が増えます。一列のキッチンに慣れている方は、はじめは戸惑うこともあるでしょう。二つのカウンターのあいだの距離を広げすぎないことが、使いやすさの鍵になります。
シンクと加熱機器を真向かいに近い位置に置き、よく使う道具を両方のカウンターから手の届く場所に収めると、振り向く動作の負担を和らげられます。
床に水が垂れやすい
シンクで洗った食材や鍋を、振り向いて加熱機器へ運ぶ際に、床に水が垂れやすくなります。ボウルなどに入れて運ぶ、水や汚れに強い床材を選ぶ、シンクのカウンターの端に水切りのスペースを設けるといった工夫で備えましょう。
加熱機器の近くに小さな水栓や作業用のシンクを設ける方法もありますが、配管の工事が増えるため、費用とのバランスを見て検討しましょう。
費用が高くなりやすい
カウンターやキャビネット、天板が二つになるため、一列のI型キッチンに比べて費用が高くなる傾向があります。費用の目安は、後述の費用の章でご紹介します。
シンクと加熱機器を別のカウンターに置く分、給排水と電気、換気の工事も二か所に分かれることがあり、工事費が増える場合もあります。
二型キッチンのサイズ・幅の目安

二型キッチンを使いやすく設えるには、二つのカウンターのあいだの通路幅と、それぞれのカウンターの大きさ、空間全体の広さの釣り合いが大切です。ここでは、サイズ・幅を考える際の目安をご紹介します。
二つのカウンターのあいだの通路幅
二型キッチンの通路幅は、一人で作業するなら900mm前後、複数人で調理したり、引き出しや食洗機を開けた状態ですれ違ったりするなら1,200mm前後が、ゆとりを感じられる目安とされています。
通路幅が狭すぎると、引き出しを開けたときに後ろのカウンターにぶつかったり、すれ違えなかったりします。反対に広すぎると、振り向いて行き来する歩数が増え、二型キッチンならではの動線の短さが損なわれます。冷蔵庫や背面収納との距離も含めた通路幅の決め方については、キッチンの通路幅の決め方で詳しく解説しています。
二つのカウンターの長さと奥行き
二つのカウンターは、同じ長さに揃える必要はありません。シンクのカウンターを長くして作業スペースを広くとる、加熱機器のカウンターの横に背の高い収納や冷蔵庫を並べるなど、使い方に合わせて長さを決めましょう。ダイニング側のカウンターを、腰掛けて使えるよう奥行きを深くする方法もあります。
二つのカウンターの端の位置を揃えると、空間がすっきりと整って見えます。反対に、ダイニング側のカウンターを少し長くして、端にカウンター席を設けるといった設えも可能です。
必要な広さの目安
たとえば、奥行き650mmの壁側カウンターと、幅2,400mm×奥行き900mmのアイランドを、通路幅900mmで設え、ダイニング側にも900mmの通路を確保する場合、キッチンまわりだけでおおよそ次の広さが必要になります。
| 項目 | 寸法の目安 |
| 横幅(アイランドの幅+左右の通路) | 約4,200mm |
| 奥行き(壁側カウンター+通路+アイランド+ダイニング側の通路) | 約3,350mm |
| 面積 | 約14.1㎡(約8.7畳) |
※1畳を約1.62㎡として換算した目安です。実際の広さは、カウンターの寸法や通路幅、配置によって変わります。
二型キッチンの間取りとレイアウト
二型キッチンは、二つのカウンターをどのように配置するかによって、空間の印象や使い勝手が大きく変わります。代表的な三つのレイアウトを、次の表で比べてみましょう。
| レイアウト | 形 | 特徴 |
| アイランドと壁側カウンター | ダイニング側のカウンターを、四方を回り込めるアイランドにする | 開放感があり、家族や客人と語らいながら料理ができる |
| ペニンシュラと壁側カウンター | ダイニング側のカウンターの片側を壁につける | アイランドより省スペースで、対面式の開放感も得られる |
| 両側とも壁付け | 二つのカウンターを、向かい合う二つの壁に沿って設ける | 独立したキッチンとして、においや音を閉じ込めやすい |
アイランドと壁側カウンター
ダイニング側のカウンターをアイランドにし、壁側に加熱機器や背面収納を設けるレイアウトです。空間の中心にアイランドが据わり、開放的で華やかな佇まいに仕上がります。アイランドにはシンクと作業台を置き、加熱機器を壁側に置けば、油はねやにおいの心配も抑えられます。
アイランドを取り入れる場合に気をつけたい点や、よくある後悔への備え方については、アイランドキッチンで後悔しないためのポイントで詳しくご紹介しています。
ペニンシュラと壁側カウンター
ダイニング側のカウンターの片側を壁につけるレイアウトです。アイランドに比べて回り込む通路が一方で済むため、限られた空間でも対面式の開放感を得られます。壁につけた側には、食器棚や家電を置くスペースを設けることもできます。
回り込む通路が一方だけになるため、アイランドに比べて、ダイニングテーブルやリビングの家具を置く場所にゆとりを残しやすいのも利点です。
両側とも壁付け
二つのカウンターを、向かい合う二つの壁に沿って設けるレイアウトです。リビングやダイニングから独立したキッチンになるため、においや音、調理中の様子を閉じ込めやすく、料理に集中したい方に向いています。壁を活かして吊り戸棚や棚を設けやすく、収納量も確保しやすいのが特徴です。
来客の多いご家庭や、下ごしらえや片付けの様子を見せたくない方にも適したレイアウトです。ダイニングとのあいだに開口部やカウンターを設ければ、家族の気配を感じながら料理をすることもできます。
二型キッチンの収納計画

二型キッチンは収納を増やしやすいレイアウトですが、どこに何を収めるかを計画しておかないと、せっかくの収納を活かしきれません。ここでは、二型キッチンの収納を考える三つのポイントをご紹介します。
壁側のカウンターの上部を活かす
壁側のカウンターの上には、吊り戸棚やオープンな棚を設けることができます。よく使う調味料や器を手の届く高さに収めると、加熱機器の前に立ったまま必要な物を取り出せます。圧迫感が気になる場合は、奥行きの浅い棚にしたり、扉にガラスを用いたりすると、軽やかな印象に仕上がります。
ダイニング側の面を収納にする
ダイニング側のカウンターは、通路側だけでなくダイニング側の面にも収納を設けられます。ランチョンマットやカトラリー、よく使う器などを収めておくと、配膳や片付けの動線が短くなります。腰掛けて使うカウンターにする場合は、足元と干渉しないよう、収納の奥行きを調整しましょう。
通路側の収納には鍋やボウルなど調理に使う物を、ダイニング側の収納には食卓で使う物をと、使う場所に合わせて振り分けると、取り出しやすさが格段に高まります。
壁面収納やパントリーと組み合わせる
壁側のカウンターの横や奥に、天井まで届く壁面収納やパントリーを設けると、冷蔵庫や家電、食品のストックまでまとめて収められます。扉を閉じれば生活感が隠れるため、ダイニング側から見たときの佇まいも美しく整います。
二型キッチンの設備機器の配置
二型キッチンは、二つのカウンターのどちらに設備機器を置くかによって、使い勝手が大きく変わります。ここでは、主な設備機器の配置の考え方を三つご紹介します。
食洗機はシンクの隣に置く
食洗機は、シンクと同じカウンターの、シンクのすぐ隣に置くのが基本です。洗った食器をそのまま食洗機に収められ、床に水が垂れる心配も少なくなります。ダイニング側のカウンターにシンクを置く場合は、食洗機もダイニング側に組み込むと、食後の片付けがスムーズです。
加熱機器とレンジフードは壁側にまとめる
加熱機器を壁側のカウンターに置き、その上にレンジフードを設けると、油はねや煙を壁際で受け止められます。加熱機器の両脇に、鍋や皿を置ける作業スペースを確保しておくと、盛り付けや配膳もしやすくなります。
冷蔵庫と家電の置き場所を先に決める
冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器などの置き場所は、後から決めると通路や作業スペースを圧迫しがちです。壁側のカウンターの端や、隣に設ける壁面収納の中など、計画の段階で置き場所を決めておきましょう。
二型キッチンの換気と照明の計画

二型キッチンを快適に使うには、換気と照明の計画も欠かせません。二つのカウンターそれぞれの役割に合わせて、計画を立てましょう。
換気の計画
加熱機器を壁側に置く場合は、壁付けのレンジフードを選べるため、アイランドに加熱機器を置く場合に比べて換気の計画が立てやすくなります。においや煙をしっかり排出できるよう、レンジフードの性能だけでなく、給気口の位置や空間の広さとの釣り合いも確かめておきましょう。
照明の計画
二つのカウンターの手元を明るく照らせるよう、それぞれの上に照明を設けましょう。ダイニング側のカウンターにはペンダントライトを、壁側のカウンターには吊り戸棚の下や棚に仕込んだ照明を用いると、作業のしやすさと空間の美しさを両立できます。
二型キッチンの天板と扉の選び方

二型キッチンは、二つのカウンターそれぞれに天板と扉を選べるため、素材の組み合わせ方によって空間の印象が大きく変わります。ここでは、天板と扉を選ぶ際の三つのポイントをご紹介します。
天板の素材
天板は、日々の使い心地や手入れのしやすさに関わる大切な部分です。ステンレスは熱や水に強く衛生的で、人造大理石は色柄が豊富です。セラミックやクォーツストーンは傷や熱、汚れに強く、上質な質感を備えています。天然石は唯一無二の模様が魅力ですが、酸や油の染みに配慮が必要です。
二つのカウンターの素材を揃えるか変えるか
二つのカウンターの天板や扉を同じ素材で揃えると、空間に統一感が生まれます。一方で、ダイニング側のカウンターには上質な素材を、壁側のカウンターには手入れのしやすい素材をと、あえて素材を変える方法もあります。見せる面と使う面で役割を分けると、意匠と使い勝手、費用の釣り合いをとりやすくなります。
扉の素材と色
ダイニング側から見えるカウンターの扉は、空間の印象を大きく左右します。木目の温もりを活かした突板や無垢材、深みのある塗装、凛とした佇まいのメタル仕上げなど、床や壁、ダイニングの家具と響き合う素材を選ぶと、キッチンが空間に美しく溶け込みます。
新築とリフォームで異なる二型キッチンの計画
二型キッチンは、新築とリフォームとで、計画の進め方や配慮すべき点が異なります。それぞれのポイントを押さえておきましょう。
新築の場合
新築では、建物の設計段階から二つのカウンターの位置や通路幅、給排水や換気の経路を計画できます。シンクと加熱機器を別のカウンターに置くため、それぞれの位置に配管や配線、換気ダクトを無理なく通せるよう、早めに設計者と共有しておきましょう。
リフォームの場合
リフォームで一列のキッチンから二型キッチンに変える場合は、シンクか加熱機器のどちらかを新しい位置に移すことになり、配管や配線、換気ダクトの移設が必要になります。マンションでは、配管の勾配や管理規約によって配置に制約が生じることもあるため、プランを固める前に現地調査で実現できる配置を確かめることが大切です。
二型キッチンの費用
二型キッチンは、カウンターやキャビネット、天板が二つになる分、一列のキッチンに比べて費用が高くなる傾向があります。ここでは、国内メーカーのシステムキッチンの場合と、オーダーキッチンの場合の目安をご紹介します。
国内メーカーのシステムキッチンの場合
国内メーカーのシステムキッチンで二型キッチンを設える場合、本体価格は中価格帯のもので90万〜150万円程度が目安とされています。これに、キッチンの取り付けや既存キッチンの撤去、給排水管の切り替え、床や壁の張り替えなどの工事費として、40万〜60万円程度が加わるのが一般的です。
選ぶシリーズやグレード、天板と扉の素材、組み込む設備機器によって、費用は大きく変わります。
ダイニング側のカウンターをアイランドにする場合は、四方から見える面の仕上げや、配管・配線の工事が加わるため、費用はさらに高くなる傾向があります。
オーダーキッチンの場合
寸法や素材を空間に合わせて誂えるオーダーキッチンでは、二型キッチンの二つのカウンターを、壁面収納まで含めて一体の意匠で設えることができます。総額の目安は、セミオーダーで250万〜1,000万円前後、国産のフルオーダーで300万〜1,000万円前後、海外のフルオーダーで500万円からとされています。
たとえばイタリアのフルオーダーキッチンを手がけるミッテルクッチーネでは、税込550万〜1,650万円(税別500万〜1,500万円)の価格帯でご注文いただくケースが多くなっています。オーダーキッチンの価格の内訳や、費用を抑える方法については、オーダーキッチンの価格相場で詳しく解説しています。
費用を配分する考え方
二型キッチンでは、ダイニング側から見えるカウンターの天板や扉に上質な素材を選び、壁側のカウンターや隠れる収納は標準的な仕様に留めるといった配分をすると、予算を抑えながらも空間の印象を高められます。どこに拘り、どこを簡素にするかを、早い段階で決めておきましょう。
二型キッチンで後悔しないためのポイント
二型キッチンの使いやすさは、細かな配置の工夫によって大きく変わります。ここでは、計画の段階で押さえておきたい四つのポイントをご紹介します。
冷蔵庫の位置を決める
冷蔵庫・シンク・加熱機器の三点を結ぶ三角形が大きくなりすぎると、移動が増えて作業の効率が下がります。冷蔵庫は、シンクや加熱機器から数歩で届く位置に置き、扉を開けたときに通路をふさがないかも確かめておきましょう。
冷蔵庫を壁側のカウンターの端に置く場合は、扉の開く向きも確かめておきましょう。開いた扉が通路をふさがない向きを選ぶと、料理中の行き来がスムーズになります。
振り向いたときの動きを確かめる
シンクで洗った食材をすぐに加熱機器へ運べるよう、シンクと加熱機器を真向かいに近い位置に配置すると、振り向くだけで作業が続けられます。図面の上で、調理の流れに沿って体の動きをたどってみると、使い勝手を具体的に確かめられます。
床材と水まわりの工夫
振り向く際に床に水が垂れやすいため、キッチンまわりの床には、水や汚れが染み込みにくく、拭き取りやすい仕上げを選びましょう。シンクのカウンターの端に水切りのスペースを設けておくと、食材や鍋を運ぶ前に水を切ることができます。
壁側のカウンターの使い方を決める
壁側のカウンターに、加熱機器だけでなく、オーブンや食洗機、家電を置く場所をどう割り振るかを決めておくと、ダイニング側のカウンターの上をすっきりと保てます。壁側の上部に吊り戸棚や壁面収納を設けるかどうかも、あわせて検討しましょう。
壁側のカウンターを、オーブンや食洗機を組み込んだ壁面収納にまとめる方法もあります。加熱機器以外の機能を壁側に集めることで、ダイニング側のカウンターを、語らいと盛り付けのための場として美しく保てます。
二型キッチンが向いている方
二型キッチンは、空間の広さや料理のスタイルとの相性によって、満足度が大きく変わるレイアウトです。ご自身に合うかどうかを、次の表で確かめてみましょう。
| 向いている方 | 慎重に検討したい方 |
| 本格的な料理を愉しみ、広い作業スペースがほしい | キッチンまわりの広さに余裕がない |
| 家族や友人と並んで料理をすることが多い | 一列のキッチンに慣れていて、振り向く動作に抵抗がある |
| 加熱機器を壁側に置き、ダイニング側をすっきり見せたい | 費用をできるだけ抑えたい |
| 収納をたっぷり確保したい | 床に水が垂れることが気になる |
慎重に検討したい方に当てはまる場合でも、通路幅や配置の工夫、床材の選び方によって、気になる点を和らげることができます。ご自身の暮らし方を思い描きながら、相応しいレイアウトを選びましょう。
二型キッチンの施工例
ここでは、イタリアのフルオーダーキッチンを手がけるミッテルクッチーネの施工例から、キッチンと背面の収納を向かい合わせて設えた事例をご紹介します。「優しい雰囲気がありながら、インテリア性の高いキッチンにしたい」というご要望から、二つの特徴を備えた空間に仕上げました。
木目と石目を組み合わせた素材選び
キャビネットには、イタリア・メラミニコの「Walnut Roll(ウォールナットロール)」を、ワークトップとシンクには「Rosso Lepanto(ロッソ・レパント)」を採用しています。ウォールナットを思わせる柔らかな木目をベースに、深みのある色調に白やグレーの脈が入る石目を合わせることで、落ち着きの中にも華やかさを感じられる空間に仕上げました。ワークトップとシンクを同じ素材で揃え、天板からシンクまで自然につながる佇まいとしています。
扉を閉じたときまで美しい背面の収納
背面の収納は、扉を開けるとカウンターや棚が現れ、グラスやコーヒー器具などをまとめて置ける構成です。使わないときは扉を閉じることで、木目の面が連続して見え、収納の内部を見せないすっきりとした状態を保てます。二型キッチンの背面側を、使うときの機能性と、閉じたときの美しさを両立する収納として設えた事例です。
この施工例の詳細は、ミッテルクッチーネの導入事例でご覧いただけます。
二型キッチンに関するよくあるご質問
二型キッチンをご検討の方から、よく寄せられるご質問をご紹介します。計画の参考になさってください。
Q. 二型キッチンとは、どのようなキッチンですか?
A. シンクのあるカウンターと加熱機器のあるカウンターを、通路をはさんで二列に平行に配置するキッチンのレイアウトです。カウンターが二列に分かれていることから、セパレート型と呼ばれることもあります。
Q. 二型キッチンの通路幅は、どのくらいがよいですか?
A. 一人で作業するなら900mm前後、複数人で調理したり、引き出しや食洗機を開けた状態ですれ違ったりするなら1,200mm前後が目安です。広すぎると振り向いて行き来する歩数が増えるため、使い方に合わせて決めましょう。
Q. 二型キッチンには、どのくらいの広さが必要ですか?
A. カウンターの寸法や通路幅によって異なりますが、たとえば奥行き650mmの壁側カウンターと幅2,400mm×奥行き900mmのアイランドを通路幅900mmで設える場合、キッチンまわりだけで約14.1㎡(約8.7畳)が目安です。
Q. 二型キッチンの費用は、どのくらいですか?
A. 国内メーカーのシステムキッチンでは、中価格帯で本体価格が90万〜150万円程度、工事費が40万〜60万円程度が目安です。オーダーキッチンでは、セミオーダーで250万〜1,000万円前後、海外のフルオーダーで500万円からが目安です。
Q. 二型キッチンで床に水が垂れるのを防ぐには、どうすればよいですか?
A. シンクと加熱機器を真向かいに近い位置に配置する、シンクのカウンターに水切りのスペースを設ける、食材や鍋をボウルに入れて運ぶといった方法があります。床には、水や汚れが染み込みにくい仕上げを選ぶと安心です。
Q. 二型キッチンのダイニング側のカウンターは、アイランドとペニンシュラのどちらがよいですか?
A. 空間に余裕があり、四方を回り込める開放感を求めるならアイランド、限られた空間で対面式の開放感を得たいならペニンシュラが向いています。アイランドは四方に通路が必要になる分、より広い空間と費用がかかる点も踏まえて選びましょう。
まとめ:二型キッチンは広さと配置の工夫で使いやすさが決まる

二型キッチンは、作業の動線が短く、作業スペースや収納を広くとれるレイアウトです。加熱機器を壁側に置けば、油はねやにおいがダイニング側に広がりにくく、ダイニング側のカウンターを美しく保ちやすいのも魅力です。
一方で、二列分の広さが必要なこと、振り向く動作や床に水が垂れやすいこと、費用が高くなりやすいことには注意が必要です。通路幅や冷蔵庫の位置、床材、壁側のカウンターの使い方を計画の段階で丁寧に検討すれば、二型キッチンならではの使いやすさと美しさを存分に愉しめます。
イタリアのフルオーダーキッチンを手がけるミッテルクッチーネでは、アイランドと壁側のカウンター、壁面収納を一体で設えるプランを数多く手がけています。施工例はミッテルクッチーネのギャラリーでご覧いただけるほか、二子玉川ショールームで素材や仕上げをお確かめいただけます。ご予算やご要望に合わせたプランとお見積りは、無料プランニングにてご提案いたします。